2021.12.03 ひもから布を作ってみよう(手おり小の使い方3 仕上げ)

手おり小を使って布を作る3(仕上げ)

ここではいよいよ「仕上げ」にかかります。
このページだけご覧になりたい方も、ざっと前の工程もご覧になっているとわかりやすいかと思います。
「準備」まではこちらから。実際に「織る」のはこちらから。

ここでは「房のない布」を作るための「糸の始末」の方法をご紹介します。
出来上がった布を織り機から外すとびろびろと糸が出た状態になります。邪魔だからって切ってしまうとどんどんほどけてしまいます。

手おり小ではたて糸は1本の糸です。そしてたて糸の幅は比較的広いので本格的な織り機に比べると本数もぐっと少ないです。
今回はこの特徴を活かして、「たて糸を縮める」方法で糸の始末をします。

8.たて糸を縮める

まずは一番端のたて糸を外します
隣の手前側からゆっくりひっぱります
端でたて糸が折り返せました

織り機の端で折り返している「たて糸」を布の端で折り返す方法です。
まずは一番左奥のたて糸を織り機から外します
そして、手前側の、今外した部分が直接つながっているたて糸を少しずつたぐり寄せます。そうすると外した側のたて糸が少しずつ「布に近づいてくる」のがわかると思います。
布の端まできたら引っ張るのをやめます。一番端だけ、ちょうど良い感じになりました。

重要なのは、全部をいきなり本体から外してしまわないことです。もちろん外してからも糸の始末はできますが、布が動いたり糸が絡まったりしてうまくいきません。
本体にはめたまま始末をすることで、布が動かず気持ちよく作業が進められます。

次は手前側を外します。
奥のたて糸を引っ張ります。

次は手前です。今長くなったところを本体から外して、今度は向こう側のたて糸をゆっくりと引っ張ります。同じように手前の「布の端」まで引っ張ることができたら引っ張るのをやめます。

こうして、向こう側と手前を順番に外しながら、ゆっくりとたて糸をひっぱって縮めていきます。だんだんとひっぱるたて糸がものすごく長くなりますが、決して切ってはいけません。絡まないようにゆっくりゆっくり進めることがコツになります。

いよいよ最後をひっぱっているところ

最後はこんなにたて糸が長くなりました。

9.金属棒を抜いて、結ぶ

最後まで引っ張ったらようやくここで布を本体から外します。
金属棒のねじを完全に外して、金属棒をそーっと外します。抜き終わったらすぐにねじを金属棒にはめておいてください。つい気持ちがはやって忘れがちですが、ねじは小さいのですぐになくなってしまいます。ねじがないと次作るときに困りますよ。(金属棒だけの販売もありますが、こういうことは初めのうちに習慣にしてしまいましょう。)

反対側も同じように外します
たて糸と横糸を結んで出来上がり

反対側も同じように外します。手順通りに作ったときは、左手前と右奥の2か所に2本ずつの糸が出ているかと思います。この2本の糸を結んで出来上がりとなります。
糸が2本同じ場所にないときは、その近くの糸に結び付けてほどけないように工夫してください。毛糸専用の「とじ針」を使って、布の裏から中のほうにくぐらせる方法もあります。

10.できあがり

今回作ったのは左側の赤い布です。右側が「房のある布」

さあ、この布を使って何を作りましょうか?
最初はこのまま「コースター」や「花瓶敷」として使ってみましょう。
長四角の布を作って半分に折り、端をかがるとポーチにもなります。
作るものによっては、布の両端にふさふさがついている「房のある布」のほうがいいこともあります。房のある布の作り方はこちらで紹介しています。こちらもぜひお試しください。

*今回の手おり小の使い方は、2012年10月の記事を少し変えてお伝えしました。

カテゴリ:つぶやき